実用新案についてのご質問
Q.実用新案法と特許法の違いは何なのでしょうか?
<回 答>
実用新案法が特許法と違うのは、特許法の場合は「発明」を保護することによりその目的を達成しようとしているのに対し、実用新案法の場合は「考案」を保護することにより目的を達成しようとしている点です。
このように、特許・実用新案は法律の名称であるのに対し、発明・考案は各々の法律の保護対象を指しています。つまり、特許法の保護対象は発明であり、実用新案法の保護対象は考案です。
従って、これらの法律によって認められた権利を各々特許権・実用新案権と言いますが、決して発明権・考案権などとは言わないのです。
Q.考案と発明ではどう違うのでしょうか?
<回 答>
ポイントは二つあります。
一つ目は、実用新案法で保護される考案は「物品の形状、構造又は組合せに係る」ものに限られる点です。わかりやすく言うと、形のあるものしか保護しません。
これに対して、特許法で保護される発明には「物品の形状、構造又は組合せに係る」といった限定がありません。従って、化学薬品のような材料、ソフトウエア、ビジネス方法や物の製造方法のような方法といったものも保護されます。保護対象の範囲が実用新案法よりも広いのです。
なお、実用新案は無審査で登録されると聞いているので、結局、形がないもので出願しても登録はされるのではないですか?と言われる方がいます。
しかし、実用新案も全くの無審査で登録されるわけではありません。
最小限の審査は行われており、出願された考案が「物品の形状、構造又は組合せに係る」かどうかは審査の対象となっています。
二つ目は、程度の差です。発明も考案も「自然法則を利用した技術的思想の創作」でなければならないという点では共通です。
しかし、考案の場合は発明と異なり「高度のもの」でなければならないという限定がないのです。わかりやすく言うと、考案は発明ほど高度でなくても保護されるということです。そこで、考案のことを「小発明」と呼んだりします。
Q.実用新案の活用の現状はどうなのでしょうか?
<回 答>
実用新案と特許の実際の出願件数を比較してみましょう。
実は、1980年まで実用新案登録出願の方が特許出願より件数が多かったのです。ところが、1981年以降は一転して特許出願の件数の方が多くなり、平成16年には特許出願件数が約42万件なのに対し実用新案登録出願件数は約8千件しかなくなりました。
これは、日本の技術力が高度になったためとも言えますが、実用新案法の平成5年改正で実用新案の魅力が小さくなったことも影響しました。
しかしながら、平成17年4月1日の実用新案法の改正により、実用新案制度は以前に比べると魅力ある制度へ変わったと言えるでしょう。
Q.そもそも実用新案や特許などの制度は何のためにあるのでしょうか?
<回 答>
これらの制度は、新しい発明や考案を創作した人に対して、その内容を世の中に公開してもらう代わりに、一定期間は独占排他的に実施する権利を認めるものです。
ところで、その内容を公開しなければならないのは、なぜなのでしょうか?
それは、似たような技術の開発をしていた人が、その公開された内容を見てそれ以上同じ開発をするような無駄をなくすためです。そして、そういった方に既に公開された技術を土台にして更に良い技術開発をしてもらうことを促進するためでもあります。
言い換えますと、国として無駄な技術開発を止めさせて、より新しい技術開発を促進することによって、国の産業の発達を図るというのが特許制度や実用新案制度の目的なのです。
特許法1条や実用新案法1条には、「この法律は(中略)産業の発達に寄与することを目的とする」と書いてあります。つまり、これらの法律が目指しているのは、あくまで「産業の発達」なのです。
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