商標についてのご質問

Q.会社を作った際に商号を登記したのに、商標登録もしておいた方が良いと聞きました。なぜ必要なのですか?

<回 答>

 自社の商品やサービスを提供する際に会社の名前を使用している場合、それは商標としての使用にもあたる場合があります。そのため、会社の名前を商号登記するだけでなく商標登録もしておく必要があるのです。
 商号と商標とでは、その有効範囲に違いがあります。商号は同一市区町村内でも同じものが複数認められるのに対し、商標権は全国的に有効な独占排他的権利です。(なお、平成18年5月1日施行の会社法により、従来の同一市区町村内の類似商号規制は廃止されました。) 
 つまり、商号を登録しただけでは、他人がそれと類似のものを商標として既に登録していた場合、他人から商標権侵害に問われるリスクがあります。そのリスクは、会社の発展につれて事業規模が大きくなり、対象とする地域が広くなればなるほどますます高くなって行きます。
 特に、現代のようなインターネット時代では、会社の規模が小さくてもインターネットを活用して全国的に販売したりすることが、とても容易になって来ています。従って、インターネットを活用したビジネスをしている場合などは、リスク回避のために、事前に商標登録してビジネスを展開していくことが重要となります。もし他人から商標権侵害に問われた場合、商標権者である他人から商標使用の差止請求や商標権侵害による損害の賠償請求をされる場合があります。

Q.商標出願するためには何が必要ですか?

<回 答>

(1)商標の選択

・文字や図形など

(2)指定商品・指定役務の選択

・商標を使用する指定商品や指定役務を選択していきます。指定役務(えきむ)とは、指定サービスとも言い、例えば、航空輸送業の「JAL」、ホテル業の「帝国ホテル」のように商品を販売しているのではなくサービスを提供しているものをいいます。

・選択にあたっては、既に使用している商品・サービスだけでなく、今後、使用予定のあるものも選びます。

(3)区分の選択

・指定商品や指定役務をグループ化したものです。全部で45の区分があります。この区分数で料金が変わってきます。

Q.商標出願の際、区分をどの程度押さえれば良いのでしょうか?数が多くなればその分費用も増えますが?

<回 答>

 原則としては、使用する予定の商品・サービスを選び、次にその商品・サービスが属する区分を調べて選択します。しかし、ご質問のように区分数に応じて料金が変わりますので、ここで多くの区分を選ぶと料金が予想以上に高くなります。従って、予算に限りがあり事業開始から間もない場合は、区分の選択を当面必要な範囲に止めておきます。

 そして、その後の事業拡大に応じて、他の区分を追加して出願して登録を取得し、商標の権利範囲を広げていきます。ただし、この場合は、追加して出願する前に、先に他人に商標登録されてしまうリスクはありますので、追加して出願するタイミングを遅らせないことが大事になってきます。

Q.費用が変わらないのであれば、区分内の全てを指定しておくことが得なのではないですか?

<回 答>

 同一区分内であれば料金が変わらないことから、全く使用予定のない商品やサービスまでも選んでしまった場合、次の二つのリスクが発生します。

①登録前の審査段階で、引用される範囲が広くなりますので拒絶されるリスクが高まります。

②登録後、3年間使用していない指定商品・サービスについて、第三者から不使用取消審判を請求されて取消されるリスクがあります。

Q.商標は特許のように公開前でないと受理されないのでしょうか?

<回 答>

 商標は、特許・実用新案・意匠などとは異なり、新規性が登録要件となっていません。従って、公開後であっても、既に出願・登録されているなどの理由がなければ、原則として登録されます。

 逆に、特許・実用新案・意匠などの出願を考える場合は、出願前に他人に公開しないように十分注意することが大事です。

Q.商標出願後に、その内容を修正することはできますか?

<回 答>

(1)商標の修正

 まず出来ないとお考え下さい。

 商標中の付記的部分に、「JIS」、「JAS」、「特許」、「実用新案」、「意匠」等の文字若しくは記号又は商品の産地・販売地若しくは役務の提供の場所を表す文字がある場合に、これらを削除するような極めて例外的な場合しか修正できません。

(2)指定商品・サービスの修正

 削除又は縮小するような場合のみ、出来るとお考え下さい。そして、変更又は拡大するような場合は、出来ません。

Q.商標登録の有効期間は10年と聞きました。その後も使用したい場合はどうすれば良いのですか?

<回 答>

 10年後に引き続き権利を維持したい場合は、特許庁へ商標権存続期間の更新登録申請をする必要があります。

 更新登録申請が出来る期間は、商標権の存続期間の満了日の6か月前から満了日の6か月後までです。

 満了日を過ぎると、割増登録料が必要となります。割増登録料は、登録料と同額(合計で登録料の2倍の額)になります。更新登録料は、前半5年分と後半5年分とに分割して納付してもかまいません。

 更新登録ができる期間を過ぎても手続きがされない場合は、商標権が消滅します。

Q.商標出願を考えているのですが、文字のみで出すか、文字と図形を組み合わせて出すか、どちらが良いのかわかりません。どう考えていったら良いでしょうか?

<回 答>

 まず、実際に使用するものと同じ商標を出願するというのが原則となります。そして、場合により、文字だけ、文字と図形の組合せの各商標を使い分けて行くような場合は、各商標について権利取得しておくというのが通常です。その理由は、商標の権利範囲はその類似範囲まで及ぶのですが、文字だけ、文字と図形の組合せの各商標によって各々の類似範囲が異なるからです。
 文字だけで出願した場合と文字と図形の組合せの場合とで類似範囲が異なるのは、後者の場合は文字部分以外の図形部分も含めて類似範囲が判断されるからです。もっとも、文字以外の図形部分がほとんどないような場合は、両者の類似範囲はそれほど異なりません。従って、このような場合は、どちらか一種類を出願しても権利範囲はあまり変わらないことになります。(通常は、文字だけで出願いたします。)
 しかし、文字部分を含んではいるものの、それ以外の図形部分が大きく、しかも特徴のあるデザインであるというような場合は、類似範囲が大きく異なってきます。そのため、例えば文字部分は異なるものの、それ以外のデザイン部分はほとんど同じ商標を他人が使用していたような場合、文字商標のみの登録を取得していただけでは、こういった商標に対して権利行使できない結果になります。

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